君はどの大学を選ぶべきか[電子版]2026年度版

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キャンパスズームアップいます。授業の映像資料などからヒントをインプットしながら、日常生活と関連づけて伝える工夫を意識しています。―理想の教員像も思い描けてきましたか。中村ストレスなく話せる環境を整えて、児童の話をとことん聞く教員になりたいですね。思いを言葉にして伝えられない、または伝えたくない児童もいる中で、教員本位のペースで授業を進めれば、児童の気持ちはわからないままになるからです。私は学習指導補助員という立場で、児童が抱く教員への愚痴を聞くこともありますが、ため込んでしまうよりも言葉にして話せる方がいいはずです。自分が教員になった際に気をつけるべきポイントもわかってきましたし、“話せるクラス”にするための関係づくりや、ルールづくりを大切にしたいですね。近藤言葉にできないから“問題行動”に出てしまう児童もいますし、何か困難を抱えているから行動として表出されるのだと思います。児童の行動を一面的に捉えるのではなく、背景にある家庭環境などにも思いをめぐらせながら、児童が話しやすく、過ごしやすい環境をつくれる教員になりたいですね。西幅あらゆるクラス、あらゆる児童に有効な指導方法の正解は存在しないと思いますが、臨機応変に、そして柔軟に勉強しやすい環境を整えていける対応力を持った教員が理想ですね。学生が児童役と教員役に分かれるロールプレイを取り入れた模擬授業もありますし、児童の多様な反応を想定して、学生のうちに最大限の準備をしておくことが重要なのだと思います。―入学してから、みなさんの“教育観”に変化はありますか。近藤授業後に学生同士でコメントし合う時間や、何気ない会話も含めて、普段から教員を目指す理由や、理想の教員像などを話す機会は多いです。自分にはなかった考え方や視点に触れて、自分の教育観を見つめ直す機会になっていますね。西幅みんな積極的に発言するので刺激的ですし、難解な課題に直面したら支え合うかけがえのない仲間です。本文270・271ページもご参照くださいときには価値観を揺るがす言葉もあるからこそ、方針転換して教員以外の道を志す学生もいますし、私もテレビ業界から教育に貢献したいと考えた時期もありました。中村教員免許は取得するものの、一般企業への就職を目指す学生は少なくないですね。私も以前は、教育行政に携わって現場ではなく行政の面から日本の教育を変えたいと考えたこともありました。近藤私も学校現場だけではなく、国際的な教育支援にも関心があります。昨年インドを訪れて、私立学校で学ぶ子どもと、スラム街の子どもの格差を目の当たりにしたからです。在学中にアフリカも訪れたいと考えていて、将来は教育面での国際貢献もできればと考えています。―最後に、今後の目標を聞かせてください。近藤私は「子どもはかわいい」というプラス面ばかりに目を向けがちでしたが、いじめや不登校など、対応が容易ではない側面も知った上で、一生教育に携わっていきたいと思えるようになりました。今後は、あくまでも子どもたちの視点を大切にしながら、よりよい授業づくりに向けて私自身も学び続けていきたいと思っています。西幅私の周りにはとても優れた仲間が多く、当初は一歩“引いて”しまいがちでしたが、「ためらってはいけない」「失敗を恐れてはいけない」「まずはやってみよう」という挑戦意欲が高まりました。この先も学び続けることが重要だと思いますし、笑顔を絶やさずに、子どもたちに夢や希望を与えられる教員になりたいですね。中村私はまだまだ実力不足を感じていますが、ひとつ言えるのは、これまでに自分が経験してきた「当たり前」を児童に押しつけてはいけないということ。それは、子どもたちの自由な考えを阻害してしまうからです。その意識を持って、何をどこまで伝えるべきかというバランス感覚のある教員になることが目標ですね。学習院大学教育学科事務室〒171-8588東京都豊島区目白1-5-1TEL03-5992-1267(直)〈URL〉https://www.univ.gakushuin.ac.jp/支え合い、刺激し合えるかけがえのない仲間がいる中村颯汰さん千葉県私立東京学館浦安高等学校出身一般選抜で入学。高校時代は陸上部に所属し、長距離種目(1500m・5000m)やマイルリレーで活躍。大学入学後は、将来の選択肢を広げるために中高の地理・歴史の教員免許取得も目指している。西幅美来乃さん埼玉県私立武蔵越生高等学校出身公募推薦で入学。1年次には「学生の提言」という学内コンペに応募し、社会を支える教育の力〜地域で守る人権と多様性〜」が見事に入賞を果たした。近藤真由さん千葉県千葉県立千葉女子高等学校出身指定校推薦で入学。高校時代はオーケストラ部で活動する一方、小学校での水泳指導の補助や、特別支援学校での実習に参加した経験があり、教員志望のきっかけとなった。


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