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学習院大学―みなさんが感じる学科の魅力から聞かせてください。中村教育学科には一学年約50名が入学早々に8ホームに分かれる「ホーム制度」があり、ホーム内で何でも気軽に話せる関係性を築けることが魅力です。また、近隣の小学校の児童を招いて学内を探索するプログラムなど、教育実習の前から子どもと触れ合う機会があります。座学だけでは見えてこない“児童のリアル”がわかるからこそ、日々の授業に向けた意欲も高まります。近藤授業では先生方が学生の顔と名前をすぐに覚えてくれますし、少人数制で密度の高い環境で学びを深められますね。また「自然体験実習」をはじめ、学外での体験型プログラムが充実していることも魅力。近年は幅広い分野で効率重視のDXが進む中、子どもの成長には効率性以外の観点も必要だと実感できました。ちなみに私は、1年次に特別支援教育を受ける児童が利用する放課後などデイサービスでのボランティア活動に参加し、2年次には新宿区の小学校でのインターンシップに参加。3年次には、聴覚や視覚に障害のある子どもたちの音楽活動プログラムにもボランティアとして参加しています。学科で紹介してもらった活動もありますし、日々の授業と学外での活動との相乗効果も感じています。西幅私にとっての魅力は、教員志望で意識の高い仲間と一緒に学べる環境であることです。また、教育分野で活躍されている先生方が親身に指導してくださいますし、“なりたい自分”に近づけている実感があります。なお、私は学生の主体性を重んじる体育会ソフトテニス部で主将をしているのですが、練習メニューなどを組み立てる際に思考力や発想力が磨かれたことが、学科での指導案作成や模擬授業でも生かされています。―自分らしい指導スタイルやコダワリも見えてきましたか。中村私は学習指導補助員の活動もしていて、外国籍児童のサポートを行った期間もありました。その経験から誰もが理解しやすい授業の重要性を認識できましたし、今後は教科別の工夫の引き出しを増やしていきたいと思っています。ただ「塾とは違う」という意識も必要ですね。近藤その点、教員の工夫次第で子ども同士が学び合う環境を生み出せることが学校の利点だと思います。一人では理解できなくても、児童間の支え合いで理解は進むと思うので、効果的に子どもと教材をつなぎ、子どもと子どもをつなぐことが教員の役割だと思います。また、例えばノートテイクにしても、場合によってはキーボードでの打ち込みを許可したり、配布物も文字ばかりに頼らずに視覚的に理解を促す工夫を凝らしたりと、多様な児童の存在を前提として複数の選択肢を用意する授業を心がけたいですね。西幅授業を進めつつ、一部の児童を置き去りにしてしまってもいけませんので、バランスに難しさがありますよね。また、まずは授業内容にどれだけ興味を持ってもらえるかが肝心ですので、私は子どもの心を“グッ”と掴む授業のツカミをつくり出そうとアイデアを蓄えて文学部教育学科学習院大学では、2013年に小学校教員の養成を目的とする文学部教育学科を開設。一学年の定員を50名とし、講義型科目では学生数の上限を25名程度とする少人数教育を徹底するほか、体験型学習を重視する点も特長です。例年教員志望者のほとんどが教員採用試験に合格し、教育関連の企業・団体への就職実績も豊富な同学科の魅力、そして将来への意気込みなどについて、3名の学生に語り合ってもらいました。押しつけでもない、放任でもないバランス感覚を持った指導力と“寄り添い方”を探究し続ける教育実習に行く前から児童のリアルが見えてくる子どもと教材をつなぎ子どもと子どもをつなぐ学生インタビュー