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大学通信教育について大学通信教育通信教育は正規の課程1947(昭和22)年、それまで日本には全くなかった新しい教育制度として制度化され、1950(昭和25)年に正規の大学教育課程として認可されたのが大学通信教育です。1999(平成11)年には大学院の修士課程、2003(平成15)年には博士課程の通信教育が始まりました。大学通信教育は、大学の正規の課程として卒業資格に結びつくもので、生涯学習の先駆者的役割を果たしています。文部科学省によると、現在は46大学、26大学院、11短期大学が通信教育を実施しており、全国でおよそ25万人が学んでいます。だれでも学習できる通信教育高等教育の機会が、だれにでも与えられているのが通信教育です。通信教育は筆記による入学試験がなく、自分の希望する大学・短大の学部・学科を自由に選択して学ぶことができます。❶経済的な事情で通学が困難な人々———大学進学を希望しているが、経済的な事情で通学が困難であり、社会に出て働かなければならない人にとって最適な制度です。❷時代の進歩に対応———生涯学習の場として、通信教育は新しい大学教育の一端を担っています。また、職務上の新しい知識や技能を得る場としても重要な位置を占めています。❸資格を取得したい人———教員免許状をはじめとした様々な国家試験に挑戦するなど、将来の方向640を決定するような資格が得られます。資格を取得することで、就職が有利になるケースもあります。❹健康上の理由などで通学できない人———許される範囲内で、学ぶ道を生かすことができます。❺余暇を有意義に活用したい人———超高齢社会を迎え、余暇が増えた高齢者の中にも、通信教育で学ぶ人が増えています。このように、通信教育の利用範囲は広く、内容も多彩です。通信教育の特色通信教育課程と通学課程の違いは、学習方法にあります。この違いを上手に利用することが重要です。❶自分の都合に合わせて、好きな場所で学ぶことができる———教室での授業と異なり、学びたいときにいつでも学べるのが一番の特色です。学習の基本はテキストを読むことから始まるので、時間や場所を上手に利用して、効率良く学習できます。❷自分の能力に応じて学習できる———科目ごとに、学習に費やす時間を調節することができます。自分の能力に応じて、学習の進度を自由に決めることができるのも特色です。❸個別指導がある———リポートの添削やスクーリングは、多くが個別指導で行われています。これは学生の置かれている環境を考えてのことで、近年は地域での学習指導が重視され、各大学では全国各地域に教職員を派遣するようになりました。このように、通信教育は多くの長所を持っていま