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https://www.univpress.co.jp/表6生徒に人気のある大学はどのような大学でしょうか?(複数回答可)自分のしたい勉強ができる大学知名度が高い大学社会的評価・イメージが良い大学75.9%56.2%53.5%サポートがこういった就職率に反映されるのです。就職状況で人気学部も様変わり大学生の就職状況も変わってきています。文部科学省と厚生労働省の共同調査によると25年春に卒業を予定している大学生の24年12月1日時点での就職内定率は昨年同時期より1.7ポイント減の84.3%でした。コロナ禍により20年に4.9ポイント減少したのち、21年からは緩やかに上昇を続け、23年は17年と同水準まで戻ってきましたが、24年は再び減少しました。内訳を見ると関東圏では0.6ポイント上昇しているものの、それ以外の地方では全て減少しています。コロナ禍が収束して企業活動は戻ってきていますが、その影響は主に大都市にとどまり、地方では学生の苦戦があると見られます。これを受け、学生たちの志望校選びも変わってくるものと予想されます。大学通信では毎年、全国の約2000進学校の進路指導教諭にアンケート調査を実施しています。昨年は766校から回答がありました。2025入試TOPICS05理系学部の動向理系の志願者では、農・水産学系の人気が高まっています。近年、SDGsや環境問題・食料問題が注目され、また22年度から高校学習指導要領で導入された探求学習の広がりもあって受験生の関心が高まっていることが背景にあります。AI、IoTなど情報化社会の急速な発展に伴って関心を集める情報系の人気も相変わらず堅調です。理工系では女子受験生の割合が高まっているようです。136家から通える大学48.8%交通の便が良い大学30.5%資格が取得できる大学就職に有利な大学47.7%学費の優待や奨学金制度の充実している大学28.5%43.8%留学制度の充実・国際交流の活発な大学27.3%研究施設が充実している大学34.6%キャンパスの雰囲気が良い大学27.3%表6は、その中で「生徒に人気のある大学」について聞いた結果です。トップは「自分のしたい勉強ができる大学」で75.9%、次いで「知名度が高い大学」56.2%、「社会的評価・イメージが良い大学」53.5%、「家から通える大学」48.8%、「資格が取得できる大学」47.7%、「就職に有利な大学」43.8%の順でした。上位3つは前年同様です。「家から通える大学」と「資格が取得できる大学」はどちらも前年より順位を上げたものの、「就職に有利な大学」は前年より7.2ポイントもダウンしました。コロナ禍の収束とともに大学生の就職状況が改善していることから、就職に関しての不安が下がっていることが反映されていると見られます。また、「家から通える大学」は2年連続で順位・ポイントともに上昇しており、近年著しい物価上昇を背景とした通学コストの節約や、通いやすさが受験生に重視されているようです。コロナ禍で人気が下がっていた「留学制度の充実・国際交流の活発な大学」はコロナ禍が明けたこともありややポイントを戻していますが、不安定な海外情勢や円安により留学しにくいことからまだ人気が戻っているとはいえません。表7は、生徒に人気のある学部・学科系統を聞いた結果です。1位は5年連続で情報系(54.1%)です。近年は情報技術の発達が著しく、エンジニアやデータサイエンティストなど就職でも大きな需要が見込まれることから人気を集め、4位のデータ