君はどの大学を選ぶべきか[電子版]2026年度版

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ボランティア団体などでの現場実習やフィールドワークといった体験型科目も豊富。講義・実習・演習をバランスよく組み合わせたカリキュラムで、さまざまな人を支援するための理論と方法を学びます。所定の科目を履修すると、社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士などの介護・福祉系の国家試験受験資格を得られます。社会福祉士は身体や精神に障害のある人や、その家族の福祉に関する相談に応じ、アドバイスや指導、福祉サービス関係者との連絡・調整などの業務を担う専門家です。介護福祉士は身体や精神などの障害によって日常生活に支障がある人に対し、食事や入浴などの基本的な介助・補助や、精神的自立に向けた支援、介護者に対する指導などを行います。精神保健福祉士は病院や施設などで、精神疾患のために社会生活に制限を受けている人の身近な生活相談から退院後の住宅、仕事探しまで、さまざまなサポートを行います。社会福祉学系統大学学部学科選び入門教育学系統〜教育学部、教育人間科学部など〜国立大学の教育学部には教員養成系と教員免許取得を義務付けていない教養学系の課程があります。教員養成系では、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の教員を輩出しています。一方、教養学系の課程は減少しています。●教員養成に最適なカリキュラムを用意いじめや不登校問題、教員の長時間労働、精神性疾患を患う教員の増加など、多くの課題を抱える教育業界。人材不足も進んでおり、こうした状況を打開するために、ここ数年、私立大学に教育学部を設置するケースが増えています。ここでは、主に国立大学に設置されている学校教育教員養成課程について説明します。学校教育教員養成課程には幼稚園、小学校、淑徳大学総合福祉学部山下幸子教授社会福祉が必要な人々への支援を多面的に学び、社会をより良いものに変えていく人材を養成。今の社会のあり方や人々の暮らしをより良い方向に変えていきたいと考える人にとって、社会福祉学の学びは大切な一歩になります。現代社会が抱える課題は山積みです。例えば、現代社会は少子高齢社会であり、出生率は減り高齢者数が増加。元気な高齢者ばかりではなく、介護が必要な高齢者も当然います。その高齢者を誰が、どこで、どのようにケアするのか。そして子どもたちも多様な家庭環境にあります。外国にルーツをもつ子どもには周囲による言語や文化の理解が必要になりますし、虐待や不登校といった状況にある子どもたちもいます。生きるために社会福祉が必要な人々への支援を、誰が、どのようにして担うのか。この社会に生きる人にとって避けて通れない課題の1つが社会福祉です。大学で社会福祉を学ぶとは、今の社会を捉える方法とともに、目の前の人を支援する方法を多面的に学ぶことです。社会福祉に関する国家試験の養成校の大学であれば、必要単位取得により社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士の受験につながります。社会福祉のプロは、この社会になくてはならない存在であり、同時にこの社会をより良いものに変えていく力をもつ存在です。157


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