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PerfectGuide人文科学系統〜文、人文、人間、教養学部など〜近年、教養教育“リベラル・アーツ”の重要性が再認識されています。この系統はその中枢に位置し、「人間とは何か」をテーマに、私たち人間の存在意義を問う普遍的な分野について多角的な視野から学んでいきます。●人文科学系統を代表する文学部人文科学系統の筆頭として挙げられるのが文学部です。古く伝統ある学部で、文化、芸術、歴史、環境など、人間に関わる多様な学問領域をカバーする複数の学科・専攻を設置しています。ここでは、「文学」「歴史学」「哲学」「心理学」の4つの代表的な分野について説明します。フランス文学、中国文学、ドイツ文学、ロシア文学など、地域や言語別に学びます。小説や詩歌、「文学」分野では、日本文学(国文学)や英文学、人文科学系統戯曲などを題材に、表現や文法を研究する言語学的なアプローチが特色です。このほか、作品の舞台となった地域の文化や時代背景、作者の心的模様など、歴史学、心理学、社会学に通ずる周辺領域の研究にも焦点を当てています。また、最近では、「英米文学科」→「英語英米文学科」というように名称を変更し、語学に力を入れる学科も多いほか、日本文学科などでは、外国人に日本語を教える日本語教員の養成課程が人気を集めています。2024年4月には、国家資格として「登録日本語教員」が誕生しました。「歴史学」を学べるのは歴史学科や考古学専攻などで、一般的には「日本史」「東洋史」「西洋史」といったようにコース分けされています。最近では、地理の分野と融合させた史学地理学科などもあります。各時代の文書や日記、絵画などの資料を通して、歴史という大きな流れに沿う人間の営みや文化を研究します。遺跡や博物館へ足を運ぶ学外でのワークショップも盛んに行われています。人文科学の生みの親ともいうべき「哲学」は、二松学舎大学文学部文学部長五月女肇志教授言葉、文化を学び、人間とは何かを追究する。人文学は、言葉や文化を学ぶことを通して人間とは何かを追究する学問分野です。二松学舎大学は、明治の文明開花期に東洋の文化・思想を忘れてはならないために創られた漢学塾から始まります。その後は漢文の先生の専門学校として、戦後は国文学科・中国文学科の2学科から成る文学部として、日本文学・日本語学・中国文学・中国思想・中国語・韓国語・書道を学べる大学として多くの優れた人材を育ててきました。4学年全てに置かれたゼミナールは教職員と学生の距離が近いという大学の特色が生かされたもので、合宿や研究会、学外施設の見学など、学生の主体的な学びが存分に反映されています。二松学舎大学文学部は、2017年に映像やメディア、観光など現代文化を学べる都市文化デザイン学科、2022年に西洋史学・東洋史学・思想史を学べる歴史文化学科が開設され、2025年に東アジアに関する様々な学問分野を学べる実態に合わせ、中国文学科を国際日本・中国学科と改称し、開学時の理念を生かしつつ、人文学の多様な学問の研究・教育を行なう学部へと発展してきました。ポスト・コロナの時代を迎え、価値観が世界規模で多様に変化する時代だからこそ、自分が最も学びたいことを見つけ、それを深めることで人間の真実に迫って行こうとする学生の入学を期待しております。152