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断装置を使った検査や、放射線機器などの管理を行います。また、臨床工学技士は生命を維持する人工呼吸器や透析装置、人工心肺などの操作や保守点検業務などを行います。医学と工学にまたがる知識が求められています。この他、緊急時に医療行為を施す救急救命士の養成課程を設置している大学もあります。医療技術系学部には理系の科目が多く用意されています。また、医学部や看護学部を併設している大学では共同実習も実施しており、チーム医療について学べる環境が整っています。家政学系統〜家政、生活科、生活環境学部など〜この系統の多くは女子大に設置されています。近年は、生活者の視点から人々の生活全般に関わる多彩な分野について学ぶ「生活科学」の要素が強くなっています。管理栄養士や保育士などの資栄養学系統大学学部学科選び入門格が、学部の人気を後押ししています。●快適なくらしを追究する「生活科学」家政学では、「衣食住」を中心に、生活に関わる分野を学びます。最近では、環境や教育とも結びつきが強く、より学際的に学べるカリキュラムを導入する大学もあります。家政学で学べる分野は大きく、環境」栄養」子ども」の三つの領域に分けることができます。家政学で扱う「環境」では、主に「生活環境」について学びます。衣服や住居といった身近な環境をとおして、より快適な生活を追究していきます。家政学の中で最も歴史が古い服飾分野では、裁縫技術を教えてきた伝統を受け継ぎ、現在の服飾系学科でも、服飾デザインやパターンメーキングといった実際の服作りに関わる教育が行われています。また、人間に一番近い環境として衣服をとらえ、肌に優しい素材や、着心地を重視した衣服設計などの研究も進んでいます。素材の研究では、女子栄養大学栄養学部栄養学・保健学。それは、生命・生活のあり方を見つめる学問です。現在、日本は世界有数の長寿国となっていますが、現代の豊かな食生活は、糖尿病、心筋梗塞といった生活習慣病や、介護の必要な高齢者の増加という新たな課題を生みました。その一番の解決策は「病気にならない体をつくる」ということ。現在、予防医学の重要性が広く認識されています。その基礎となるのが栄養学。栄養学の知識は、食・産業・健康・医療・教育など、様々な分野で生かすことができます。不適切なダイエットや超高齢社会なども社会問題化しており、食や健康に関する分野への社会的需要はますます高まっています。女子栄養大学は創立以来、食と健康をテーマに栄養学と保健学の実践的な教育と研究に取り組んできました。管理栄養士国家試験の合格者数は11年連続全国1位の実績を誇っています。また、臨床検査技師国家試験の合格率や養護教諭、家庭科教諭などの採用者数にも高い実績があります。専門職への就職は社会動向の影響を受けにくく、病院、学校、福祉施設、食品メーカーなど多岐にわたり、極めて高い就職率を保っています。キャンパスには、時代のニーズに即応した教育・研究活動が可能な充実した研究施設と、最高峰の教育陣が待っています。171