君はどの大学を選ぶべきか[電子版]2025年度版

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このほか、人文・社会科学系の文系学部にも“情報”と冠した学科があります。この場合、情報学と社会学や経営学、心理などの各専門分野を融合させ、情報を活用して論理的・科学的に解析するための理論と方法を学びます。また、近年では、情報系学部以外の学生に対しても、AI・データサイエンスへの関心や基礎的な能力が求められています。こうした背景から、全学部の学生が履修可能な共通プログラムとして数理・データサイエンス・AI教育プログラムを導入する大学も増加しています。理学・工学系統〜理、理工、工学部など〜理学は人間を取り巻く自然科学の総称で、数学、物理学、化学、生物学、地球科学などの分野があります。一方、工学は理学の基礎知識を利用し、農学、医学などとともに応用科学として実用的な製品などの開発に役立てられています。最近では、この系統の学部・学科でも学問の細分化、学際化が進んでいます。また、国公立大を中心に大学院に進学する人も多くなっています。●自然科学の基礎を学ぶ理学日本では、さまざまな最先端技術の開発が進んでいます。その水準の高さには定評がありますが、その基礎となっているのが理学です。理学は、宇宙、地球、生物、生命、分子、原子、原子核など、マクロからミクロまでの自然や自然現象を対象とした学問です。学問領域は数学、物理学、化学、生物学、地球科学の大きく5つに分けられ、最近では、研究テーマが分野間をまたぐことも多くなっています。このうち数学は、理系分野だけにとどまらず、すべての科学的思考をあらわす言語としてとらえられています。最近では、情報理論の基礎学問としても重視されるようになり、コンピュータを使用した、物理学・化学・生物学・地球科学の理論計算、シミュレーション実験にも役立っています。大学学部学科選び入門数学科や数理科学科のほか、コンピュータ科学と融合した研究を行う情報数理学科なども注目を集めています。理学分野の中で、数学と性質が似ているのが物理学です。物理学はすべての科学技術の基礎となる学問で、自然界に存在する物質の運動や現象を分析し、普遍性と論理性を見出していきます。その成果は電気や電波、半導体、コンピュータ、X線、MRIなどにも応用されています。急速な進歩を遂げている生物学では、人間や動物、微生物、ウイルスなどの生物や生命現象を研究対象としています。最近では、遺伝子工学や生体工学などのバイオサイエンスやバイオテクノロジーの技術が飛躍的に伸びています。また、生命科学と関連が深く、医学や獣医学、農林・水産学などと連携した研究も行われています。物理学と生物学の架け橋となるのが化学です。わが国の化学分野の研究は世界トップレベルを誇り、その研究能力は高い評価を受けています。大学で学ぶ化学は物理化学、無機・分析化学、有機化学、生命化学などに分けられ、工学、薬学、農学、医学などのあらゆる分野に応用されています。地球の成り立ちや生い立ちなど、地球に関するあらゆることが地球科学の研究対象です。地質学・地震学などの地学領域から宇宙に至るまで、その専門分野は多彩です。人文・社会科学と連携して地球規模の問題を分析・解明し、環境と調和を保つ方法も研究されています。地学科や地球科学科、物質地球科学科、地球惑星科学科など、大学独自の学科も少なくありません。●理学を応用し、社会に還元する工学理学を応用し、人間社会を豊かにする役割を担うのが工学です。工学系の中で最も歴史がある機械工学はものづくりを基に、快適な社会生活を追究する学問です。現代社会に欠かせない機械・装置のハードウェアを幅広くカバーする機械工学はほとんどの工学部に設置されていますが、ロボティクス学科、機械航空工学科など、研究対象をより明確にあらわした学科へと改組する大学も増えています。165


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