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https://www.univpress.co.jp/表6生徒に人気のある大学はどのような大学でしょうか?(複数回答可)自分のしたい勉強ができる大学知名度が高い大学社会的評価・イメージが良い大学77.7%59.7%58.9%サポートがこういった就職率に反映されるのです。就職状況で人気学部も様変わりコロナ禍が明けてくるにつれて、大学生の就職状況も変わってきています。24年春に卒業を予定している大学生の23年12月1日時点での就職内定率は昨年同時期より1.6ポイント増の86.0%でした。2011年から毎年上昇を続けてきましたが、19年に1.7ポイント減、20年にはコロナ禍の影響もあり、さらに4.9ポイント減りました。しかし21年からは緩やかに上昇を続け、23年は17年と同水準まで戻ってきました。コロナ禍が収束して企業活動が戻ったのに加え、少子化により大学生の就活で売り手市場が強まっているからです。これを受け、受験生たちの志望校選びも変わってくると予想されます。大学通信では毎年、全国の2000進学校の進路指導教諭にアンケート調査を実施しています。昨年は645校から回答がありました。表6は、その中で「生徒に人気のある大学」に2024入試TOPICS05理系学部の動向理系の志願者では、農・水産学系の人気が高まっています。近年、SDGsや環境問題・食料問題が注目され、また22年度から高校学習指導要領に導入された探求学習で同分野に関心を持つ受験生が増えていることが背景にあります。なかでも獣医は定員枠が小さいため狭き門となっているようです。AI、IoTなど情報化社会の急速な発展に伴って関心を集める情報系の人気も相変わらず堅調です。140就職に有利な大学51.0%交通の便が良い大学31.6%家から通える大学資格が取得できる大学47.4%学費の優待や奨学金制度の充実している大学29.1%46.7%留学制度の充実・国際交流の活発な大学26.5%研究施設が充実している大学43.9%キャンパスの雰囲気が良い大学26.0%ついて聞いた結果です。トップは「自分のしたい勉強ができる大学」で77.7%、次いで「知名度が高い大学」59.7%、「社会的評価・イメージが良い大学」58.9%、「就職に有利な大学」51.0%、「家から通える大学」47.4%、「資格が取得できる大学」46.7%の順でした。上位3つは前年同様です。「就職に有利な大学」と「家から通える大学」はどちらも前年より順位を上げたものの、「資格が取得できる大学」は前年より7.1ポイントもダウンしました。コロナ禍や世界的な物価上昇など経済の悪化等でここ数年就職状況への不安が高まっていましたが、コロナ禍収束で一転、大学生の就職状況が改善し、資格よりも就職への関心が高まっていると見られます。また、「家から通える大学」「交通の便が良い大学」がどちらも前年よりポイントアップしており、物価上昇を背景とした通学コストの節約や、通いやすさが受験生に重視されているようです。コロナ禍で人気が下がっていた「留学制度の充実・国際交流の活発な大学」はややポイントを戻しましたが、不安定な海外情勢や円安により留学しにくいことからまだ人気が戻っているとはいえません。表7は、生徒に人気のある学部・学科系統を聞いた結果です。1位は5年連続で情報系(63.4%)、2位は今回から選択肢に追加されたデータサイエンス系(42.0%)です。近年は情報技術の発達が著しく、エンジニアやデータサイエンティストなど就職