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キャンパスズームアップにするには何が必要なのか。例えば、院内学級での個別指導に必要な仕組みづくりなどを考察してきました。その点、教員志望ではないとはいえ、学生が教員役や児童役になる実践的なロールプレイをとおして気づけることもありました。院内学級では子どもの意識に差がありますが、何気ないコミュニケーションから学習意欲を把握する大切さを認識できました。現在は院内学級の教員や、医療と教育をつなぐ「医教コーディネーター」と呼ばれる方などへのインタビューをとおして実態把握に努め、卒業論文の執筆を進めています。―在学中の印象深い授業やプログラムを教えてください。角田自然体験実習でのキャンプのほか、音楽の授業では合唱や合奏を行い、家庭科では調理実習も経験するなど、良い意味で大学らしくない点に魅力を感じました。学内外での多彩なプログラムで一緒に体を動かしながら、仲間とのつながりが深まっていった実感があります。また、3年次の社会体験実習では「学習院さくらアカデミー」という教育事業に参加しました。子ども向けから社会人向け、高齢者向けまで、多くの講座を運営しており、年齢を問わず受講者が楽しみながら学ぶ姿を見て、教育の魅力を再認識できました。竹内私も社会体験実習が貴重な経験になりました。外国人児童を対象とする日本語教室を訪れ、日本語での意思疎通が難しければ英語や中国語で対応しながら、自分の思いをうまく伝えられない児童への対応方法を学びました。また、3年次にはボランティアで小学校を訪問し、児童への声がけの内容とそのタイミングについて試行錯誤を重ねることで、4年次の教育実習に向けた経験値を高めました。―教育実習はいかがでしたか。竹内多くの児童が一所懸命に授業を受けてくれて「楽しかったよ」「がんばるね」といった言葉をかけてくれました。ただ、一部の児童は嫌なことは嫌だとはっきりと言いますので、いかに前向きに授業に参加させ、楽しいと思わせるかが腕の見せ所。勉強に集中させる時間と、ゲーム要素を取り入れて楽しませる時間の両方を設け、その時間配分を調整しながら臨機応変に対応しました。また、児童は教員の焦りに気づきますし、焦らせて困らせることに楽しさを感じてしまう児童もいます。だからこそ、たとえ焦っても決して表に出さないよう明るく振る舞い、平常心のときと同じ雰囲気を全力でつくるよう心掛けました。正直なところ、心が折れかけてしまい、授業後にため息が出ることもありましたが、場数を踏めばそれだけ強くなれるという自負と自信と信念が私を奮い立たせました。本文276・277ページもご参照ください―最後に今後への意気込みを聞かせてください。角田私は社会人向けの教育事業を展開している企業に就職します。いわゆる“リスキリング”を目的とした企業向けの研修プログラムの開発と運営を行っており、私はカリキュラムの作成や提案業務などに携わる予定です。講座を提供する側の視点だけでなく、受講者の立場に立って企画や提案をしていきたいと考えています。竹内私は教員採用試験での合格を目指して対策を進めています。教育学科は学年を越えたつながりが強く、先輩からも多くのアドバイスをいただいています。また、先生方も学生思い。人のよさや“先生らしさ”に満ち溢れていて、学生の要望に全力で応えてくれます。将来は児童が楽しいと思える授業を進めながら、学校を自分の居場所だと感じられる学級づくりができる教員を目指します。また、自分のクラスに限らず多くの児童とコミュニケーションを重ね、言いづらい悩みにも気づいて寄り添える教員になりたいです。角田晴仁さん東京都私立高輪高等学校出身学習院大学教育学科事務室〒171-8588東京都豊島区目白1-5-1TEL03-5992-1267(直)〈URL〉https://www.univ.gakushuin.ac.jp/場数を踏めばそれだけ強くなれる児童の悩みに気づき寄り添える教員に