君はどの大学を選ぶべきか[電子版]2025年度版

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キャンパスズームアップ4年次の卒業論文は、文具業界で競争優位を獲得するための経営戦略がテーマ。第一志望の文具メーカーから内定をいただけたこともあり、入社後に役立つ発見がしたいという思いでした。遠藤岩崎さんの卒論は素晴らしいのひと言。内定先も、新しいことに積極的に挑戦でき、たとえ失敗してもイノベーティブな商品開発を重視する社風です。非常に革新的な国内企業のひとつで、“岩崎さん向き”ですね。―梅津さんはいかがですか。梅津私の場合、高校時代は数学が得意だったため、当初は理系志望で情報系の学部を目指していました。ただ、技術力を磨き、エンジニアとしてシステム開発などを行う将来像を思い描いていたわけではなく、デジタル技術を活用した課題解決や、新たなサービスを生み出す仕事に興味がありました。そこで、文理にとらわれず、多角的・横断的に学べる学部として見つけたのがこの学部でした。遠藤私のゼミでは3年次後期に、社会課題の解決をテーマに「プロジェクト研究」というPBL型のグループワークに挑戦します。梅津さんのチームは、マイボトルの普及によるペットボトルの消費量削減がテーマだったのですが、梅津さんはデータの取り扱いが“ピカイチ”。データの特性に気づく力が高く、それはかつて理系志望で学んできた数字やデータを活用する能力をベースに、この学部で培った社会科学的な視点が効果的に“結合”した結果だと感じました。―プロジェクト研究や卒業論文で重要なポイントは何ですか。遠藤3年次前期は、経営学や経済学など、プロジェクト研究や卒業論文での企業分析に必要な知識の獲得と定着を重視します。“知識量は問わず、自由な発想で構わない”というスタンスのPBLもありますが、ベースの知識を持たずに議論を重ねても限界があり、“自分の意見は言えた”という自己満足で終わりがちだからです。岩崎遠藤先生からは、大学での学びに必要な“心構え”も教わりました。失敗をしてもその原因を考えることの大切さと、自分とは違う意見でもまずは受け入れて、自分の価値観と照らし合わせて新たな発想につなげることの大切さです。高校までは“失敗すること”に抵抗があり、失敗しないための方法を考えてから行動していましたが、遠藤先生の言葉で考え方が根本から覆され、行動にも反映されました。実際、卒業論文の進捗発表をして周囲の学生から意見をもらう場面では、私は文具業界への興味が強い学生の視点で発表するわけですが、特に興味のない学生の率直な意見によって視野が広がり、新たな発想につなげることもできました。梅津私も考え方が大きく変わりました。高校までは知識のインプットや、一つの答えを導き出すことが目的で、授業内容も「そういうものなのか」と無批判的に受け止めるだけ。一方、ゼミでは「教科書の内容でも疑問点を見つけよう」と意識するようになりました。プロジェクト研究でも、グループでの“正解のない問いに対する挑戦”を初めて経験し、周囲の意見に対して質問したり、私なりの提案を積極的に行うなどして、活発な議論につなげられるようになりました。視点の異なる周囲の意見を聞くと、新たな課題が浮き彫りになりますが、その課題をクリアにすることで内容が充実していく喜びゼミ活動をとおして“考える力”の本質を知る学部長遠藤健哉教授(TAKEYAEndo)慶應義塾大学商学部卒業後、同大学院商学研究科経営学・会計学専攻修士課程修了。専門は経営学。主な研究テーマは、戦略経営論、イノベーション・マネジメント、組織変革論。


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