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早稲田大学大学改革最前線早稲田大学は大隈重信によって1882(明治15)年に創設された東京専門学校を前身としています。これまで、“官学に対抗した自由主義精神に富む人材の育成”という創設の理想を現実のものとし、“私学の雄”としての道を着実に歩んできました。建学の理念として掲げた三大教旨「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」は、現代的に言いかえると、「自ら考え行動できる能力を養い、地球社会に貢献する人材を育成する」ということです。この教旨は脈々と受け継がれており、「在野精神」「進取の精神」という早稲田大学独特の校風を醸成しています。グローバル化が進展する現代社会の中で建学の理念を実現していくため、早稲田大学では「世界で輝くWASEDA」を目指した改革を進めています。その3本柱が「研究」「教育」「貢献」です。■研究の早稲田世界的な研究者が早稲田に集う仕組みづくりと、質の高い研究活動の推進、研究成果の教育への還元を目指しています。総合大学の強みである多様な分野での知の集積を活用しながら、社会課題の解決や、より良い未来の創造に向けた独創的な研究に取り組んでいます。■教育の早稲田早稲田の教育改革の中で特筆すべきものが、「グローバルエデュケーションセンター」が提供する全学部共通の教育プログラムです。学部、学年などにとらわれずに履修できるオープンな教育システムで、「基盤教育」「言語教育」「リベラルアーツ教育」「人間的力量教育」の4つで構成。根拠に基づき議論する力や、幅広い視野を培うことができます。このうち「基盤教育」は、大学での学びに必須のアカデミックツールと位置付けられ、「アカデミック・ライティング」「英語」「データ科学」「数学」「情報」の5カテゴリーがあります。現代社会で必要とされるスキルでもあり、早稲田では学生時代に修得することが推奨されています。■貢献の早稲田「リーダーシップ開発プログラム」や、企業が実際に抱える課題の解決策を提案する「プロフェッショナルズ・ワークショップ」など、フィールドワークやアクティブラーニングを取り入れた教育プログラムを整備しています。こうした教育によって行動力と人間的力量を高め、世界人類のために貢献する「たくましい知性」と「しなやかな感性」、「びびきあう理性」を備えたグローバルリーダーの育成につなげます。世界で輝くWASEDAへ受け継がれる大隈重信の理念世界で輝くWASEDAを目指す研究・教育・貢献