>> P.159
159大学学部学科選び入門ボランティア団体などでの現場実習やフィールドワークといった体験型科目も豊富。講義・実習・演習をバランスよく組み合わせたカリキュラムで、社会福祉が人々の暮らしにどのように関わっているのかを学びます。所定の科目を履修すると、社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士などの介護・福祉系の国家試験受験資格を得られます。社会福祉士は身体や精神に障害のある人や、その家族の福祉に関する相談に応じ、アドバイスや指導、福祉サービス関係者との連絡・調整などの業務を担う専門家です。介護福祉士は身体や精神などの障害によって日常生活に支障がある人に対し、食事や入浴などの基本的な介助・補助や、精神的自立に向けた支援、介護者に対する指導などを行います。精神保健福祉士は病院や施設などで、精神疾患のために社会生活に制限を受けている人の身近な生活相談から退院後の住宅、仕事探しまで、さまざまなサポートを行います。教育学系統〜教育学部、教育人間科学部など〜国立大学の教育学部には教員養成系と教員免許取得を義務付けていない教養学系の課程があります。人気が高い教員養成系では、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の教員を輩出しています。一方、教養学系の課程は減少しています。●教員養成に最適なカリキュラムを用意いじめや不登校問題、精神性疾患を患う教員の増加など、多くの課題を抱える教育業界。人材不足も進んでおり、こうした状況を打開するために、ここ数年、私立大学に教育学部を設置するケースが増えています。ここでは、主に国立大学に設置されている学校教育教員養成課程について説明します。学校教育教員養成課程には幼稚園、小学校、社会の多様化・複雑化に伴い、いろいろな福祉のカタチが望まれてきています。福祉には“高齢者や身体の不自由な人に対する介護”というイメージが残っています。しかし、地域のなかで生活上のいろいろな悩みを抱えている人々に、それを自分の事のように思い、関わっていく「地域や家族も含めた包括的な福祉サービス(“我がこと、まるごと”の生活支援サービス)」が今、非常に求められているのです。一見同じ“生活上の困りごと”も“心の声”に丁寧に寄り添うことで、多くの課題が繋がって見えてきます。そこを丁寧にほぐし、現れてくる可能性をカタチへと変えていく一連の行動こそが、福祉マインド”をもった行動としてまさに期待されているのです。“福祉マインド”をもった専門職者養成を行う社会福祉分野では、包括的な生活相談・支援に対応する資格として、社会福祉士や精神保健福祉士、スクールソーシャルワーカー、直接的生活支援を担う介護福祉士、またホームヘルパー養成教育を展開しています。そのためにも授業だけでなく、実習、ボランティアといった多様な機会に触れ、“人として多様な成長”を遂げていくことも重視しています。その人の“心の声”に寄り添い、可能性を引き出し、力に変えていく、“福祉マインド”をもった多様な福祉専門職者の養成淑徳大学総合福祉学部戸塚法子教授社会福祉学系統