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156PerfectGuideて説明します。法学分野では日常生活の中で起こるさまざまな出来事や問題に対して、法学的な視点から公正かつ公平に判断するスキルを磨きます。カリキュラムは講義と演習科目で構成されています。六法(憲法・民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)を基礎に、法令の内容や判例を学習し、社会環境や制度について、理解していきます。抽象的に書かれている法律の条文をさまざまな問題に生かしていくには、条文の具体的な解釈が必要です。そのため、演習科目やゼミナールで法的なものの考え方や処理の仕方を身につけ、一つの問題に対して複数の解決方法を導き出す、多面的な思考力を養います。政治学では社会の基本的な枠組みを決める政治プロセスと、社会のさまざまな状況を把握・分析する力を養います。政治哲学や思想、政治史、行政学、国際政治学など、身近な問題から地球規模の問題まで幅広く学びます。行政に関する科目をベースに、社会学や国際関係学など多彩な関連科目も履修します。法学部の卒業生は他学部に比べて法科大学院進学者や公務員希望者が多くみられます。法律の専門家をめざす司法コース、公務員をめざす行政コース、企業法務を担う人材を育成する企業関係法コースなど、将来の目標に合わせてコースや専攻を設置している大学もあります。●法曹コースの運用2004年4月から始まった法科大学院は20年目を迎えました。ピーク時には7万2800人もいた志願者数は大幅に減少し、近年は多くの法科大学院が定員を割っています。創立当初、74校あった法科大学院は、11年度以降、減少に転じており、23年度に学生を募集したのは34校。半分以下になりました。こうした中、法科大学院へのてこ入れを図るため、新たに「法曹コース」が設置されました。法曹の養成に特化した法科大学院には法学既修者を対象とした2年コースと、法学未修者対象の中央大学法学部は、前身である「英吉利法律学校」の創立以来、法曹界をはじめ、官界、政界、実業界などに多数の卒業生を輩出しています。現在は、法律学科・国際企業関係法学科・政治学科の3学科体制で、社会の問題解決に必要な論理的思考力と公共精神を身につけるべく法学教育を行っています。法を通じて社会を見る目を養う法律学科、法律と経済をグローバルに学ぶ国際企業関係法学科、ガバナンスのしくみを考察し、市民的公共空間のあり方を構想する政治学科という各学科の特色ある教育とともに、外国語習熟度別クラス編成や海外留学の支援、国際的な視野で考える科目の設置など、グローバル化に対応した教育を行っています。また、280講座以上のゼミ(演習科目)を開講。ディスカッション主体の授業で、問題発見・解決能力を磨いています。2023年度から、法学部は文京区茗荷谷キャンパスへ移転します。そこでは、都心3学部による文理横断型の共同科目も開講され、文系理系の枠を超えた幅広い視野と、深い思考の礎となる素養を涵養していきます。少人数の学びで、一人ひとりの「やる気」を引き出す法学教育中央大学法学部法学・政治学系統