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大学受験入門講座130大学・短大全入時代到来が明らかに大学・短大全入時代が間近です。全入時代とは、「大学・短大の入学定員≧大学・短大志願者」になることです。つまり、大学・短大入学希望者が、進学先を考慮しなければ、全員が必ずどこか国内の大学・短大に入学できることを意味しています。日本私立学校振興・共済事業団によると、22年の私立大の総入学定員49万8019人のところ、入学者数は50万2199人。昨年は定員割れでしたが、22年はほぼ同数に戻っています。しかし、全入のような状況は、現実には起こりえません。東京大、早稲田大などの人気大学や医師になるための医学部医学科に、浪人しても進学したい受験生はたくさんいるからです。浪人生が生まれた分、定員が埋まらない大学・短大が出てくることになります。その割合が高い学校では、淘汰されることに結びつきます。こうなった大きな理由が少子化です。表1を見てください。受験生数がもっとも多かったのは1992年です。その後、18歳人口は減少の一途をたどっています。92年当時の受験生数は、約121.5万人で、入学者数が79.6万人。受験生の3人に1人、42万人近くが、大学・短大に入学を希望しながら入学できなかったことになります。大変な激戦入試でした。それが2022年には、受験生数が約69.0万人で、1992年の入学者より少なくなっています。一方、入学者数は約67.7万人で、進学を希望しながら入学できなかった人はわずか1.3万人です。大学・短大に進学を希望しながら入学できなかった人は、およそ54人に1人と激減しているのです。以前に比べ、大学に入りやすくなっている受験生数減もさることながら、大学数が増えていることも全入時代到来の一因です。4年制大学は1992年の523校から2022年は807校へ284今の大学は、お父さんやお母さんが受験した30年前とはまったく違います。時代の移り変わりと同じで、大学も“象牙の塔”と呼ばれるままではありません。大学を取り巻く環境、入試制度、人気学部、就職状況、学費など、大きく変わっています。まさに隔世の感といっていいでしょう。大学入試の現状はどうなっているのでしょうか。この講座で知識を深め、入試についてじっくり考えてみましょう。大学入試はこうして行われる!大学受験特集2023年の大学入学共通テストの志願者は、昨年より3.4%も減少しました。18歳人口の減少に加え、現役生が一般選抜のチャレンジを避け、年内の総合型選抜や学校推薦型選抜にシフトしていることで、共通テストの志願者が減少すると見られていましたが、思ったより減りませんでした。国公立大人気とともに、コロナ禍で私立大の共通テスト方式の活用を考える受験生が増えた影響のようです。大学入学共通テスト2023入試TOPICS01