君はどの大学を選ぶべきか[電子版]2024年度版

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キャンパスズームアップが叫ばれている分野でした。想像力を働かせて仮説を立て、自分なりにロジカルに結論を導き出していく思考プロセスは、現在勤務している通信系企業でも直接的に生かされています。入社後はマレーシアやインドに駐在し、現地に進出した日本企業の効率的なIT導入を支援するワンストップソリューションに尽力しました。海外での経営戦略を効果的に実現するためのIT導入が必ずしも十分ではない中堅・中小企業各社のICTイノベーションを、大学での学びを存分に生かしながら、支援し実現してきた自負があります。遠藤イノベーションは「技術革新」と同義で捉えられがちですが、決して技術面だけの話ではありません。人々の行動や態度、周囲との関わりや相互作用自体を“イノベート”することもできるのです。また、イノベーションには多様なフェーズやシーンがあり、何も起業家だけがイノベーションを起こすわけでもありません。大塚さんのように、一企業人が地道に交渉を進めながら企業を変え、社会構造を変えていくことも含め、さまざまな人々が、さまざまな役割を果たしていくことで成し遂げられるのがイノベーションなのです。―小楠さんはどのような思いで入学されたのですか。小楠私が入学時に興味があったのは、国際ボランティアと海外留学です。ただ、ボランティアは一時的な支援ですので、持続的な支援方法を探究するためにも、この学部で視野を広げたいと考えました。少人数のゼミで議論を重ね、仲間の多様な考え方に触れたことで気づけたことも多く、物事の解釈や解決方法を多角的に考える力が向上しました。遠藤ゼミではみんな熱心に調べてくるので、多面的かつ建設的に濃厚なディスカッションができますよね。まずは相手の考え方を理解しようと努め、相手を尊重した上で複数の案を融合させ、新たな解決策を模索しようとする空気に満ち溢れていると思います。小楠しっかり主張する学生も多かったのですが、何でも同調して上辺だけ仲が良くても議論は深まりませんし、ときには緊張感をもって議論できたことが良い思い出になっています。また、在学中はフィリピンを訪れ、ストリートチルドレンの保護施設をつくるボランティア活動にも参加しました。そこで痛感したのは、継続的な支援のために、ビジネスの力で持続的に収益を生み出す仕組みの必要性です。だからこそゼミではSDGsに貢献できるビジネスモデルを研究し、アウトプットとしてビジネスコンテストにも挑戦しました。遠藤中小企業を含め、日本の優れた技術を途上国支援に生かすソリューションでしたね。このとき重視したのは、きちんと利益も生み出す構造づくり。多くの人々の満足度を高める持続可能な手段としてのビジネスモデルだったと思います。小楠そうですね。こうしたゼミでの経験は、現在配属されているモバイル事業の企画部署でも生かされています。日々顧客データを分析して、顧客満足度向上に向けた改善策をゼロから考えて各部署に提案しているのですが、ゼミでイノベーションに成功した企業のビジネスモデルを分析したり、ビジネスコンテストに向けて発想力を鍛えたりした経験が、社会での実践力につながっています。大塚栄美子さん政策イノベーション学科2012年3月卒業株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(NTTデータ)勤務神奈川県・私立聖園女学院高等学校出身学部長遠藤健哉教授慶應義塾大学商学部卒業後、同大学院商学研究科経営学・会計学専攻修士課程修了。専門は、経営学。主な研究テーマは、戦略経営論、イノベーション・マネジメント、組織変革論。深い議論は刺激に溢れ気づきの宝庫になる


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