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大学改革最前線甲南大学1919(大正8)年に創設された甲南大学は、2019年に学園創立100周年を迎えました。学園創立者・平生釟三郎(ひらおはちさぶろう)が掲げた建学の理念「各人の天賦の特性を伸長させる人物教育の率先」は今日まで脈々と受け継がれています。8学部14学科と大学院4研究科を擁する総合大学でありながら、学生数約9,000人という「ミディアムサイズの総合大学」の特長を生かし、多彩な学部の学生が自然に交流し融合する環境を生み出しています。次なる100年における新たな伝統を創造するための「甲南新世紀ビジョン」のもと、さまざまな改革を推進し、現在は「人物教育のクオリティ・リーダー」のさらなる進化を目指す「KONANU.VISION2025」の実現に取り組んでいます。甲南大学では、学部にとらわれない取り組みが活発で教職員と学生との距離が近い「ミディアムサイズの総合大学」ならではの土壌を生かし、「全学共通教育」「専門教育」「正課外教育」が密接に連携しながら、学生を成長へと導く多彩な教育「彩り教育」を展開しています。彩り教育において、大きな役割を果たしている「全学共通教育」は、専門分野の枠を越えて、様々な方向に学びを拡張できる仕組みです。学生生活を通して学部での専門的な学び以外に広がった興味・関心を、分野の垣根を越えて自由に「拡張」「補完」することができるため、学生自身の「好き」や「得意」を広げる場となっています。全学部の1年次を対象としている「導入共通科目」のひとつ「共通基礎演習」では、「学部を横断した学び」という視点から、高校までの学びと大学での学びを接続しています。異なる学部の学生とともにプロジェクト学習を行い、コミュニケーション能力、課題発見・問題解決能力、情報発信力を磨くことができます。1年次の段階で得意教科や物事に対する考え方がまったく違う他学部の学生から刺激を得ることで、その後の学生生活の過ごし方を考えるきっかけにもなります。民法・商法やビジネス法務、会計や簿記、IT、ビジネス英語など、専門の学びに加えてキャリアの設計に必要だと思う学びに取り組む「キャリア創生共通科目」や、目標の職業に直結した資格・試験の対策、健康寿命の延伸という社会ニーズを見据え、福祉・スポーツ系の知識や技術を体系的に修得できるプログラムも用意一人ひとりの天賦の才を伸ばす「彩り教育」を展開無限の可能性を伸ばす彩り豊かな教育プログラム