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大学改革最前線関西大学創立から130年を越える歴史と伝統を持つ関西大学は、大学昇格、また、学是「学の実化(がくのじつげ)」の提唱100周年を2022年に迎えました。「学の実化」とは「学理と実際との調和」を意味し、常にその理念のもと、教育研究の深化・発展に取り組んできました。現在、千里山キャンパス、高槻キャンパス、高槻ミューズキャンパス、堺キャンパスの4つのキャンパスに13学部、大学院、法科大学院、会計専門職大学院を設置。さらには高等学校3校、中学校3校、小学校と幼稚園を擁する一大総合学園へと発展しています。今後も地域社会や世界に貢献できる教育研究のより一層の充実をめざしていきます。AI・データサイエンスの技術は大学生の誰もが有すべき基礎スキルであるという考えから、文理を問わず全学部の学生を対象に「AI・データサイエンス教育プログラム」を実施しています。プログラムは「入門教育」「実践基礎」「実践応用」に分かれており、段階的に学ぶことができるようになっています。「入門教育」では、さまざまな専門分野でのAI・データサイエンス技術の活用事例を各学部の教員がリレー形式で紹介します。AI・データサイエンス技術の開発に関わる教員の実例にも触れながら、データの統計学的な取り扱いと、AI特有のデータ処理技法に関する知識を身に付けます。2段階目である「実践基礎」は、統計学に加えて、機械学習、深層学習、ファジー理論などの基礎理論を実践的に学びます。社会のあらゆる活動をデータ化し、蓄積したビッグデータに対して、統計処理技術、AI技術を駆使して新たな知見を獲得する基礎的な技能を身に付けることが目標です。そして2023年には、「実践応用」の科目設置が予定されています。与えられた実践課題に対して、AI・データサイエンス技術を駆使してイノベーションを創出し、世界で活躍できる人材の発掘と育成を図るものとなっています。また、さらに高度なデータサイエンティスト育成のために、学部独自の教育プログラムも以下展開しています。[システム理工学部電気電子情報工学科データサイエンティスト育成プログラム]1年次で、数学的な基礎とプログラミング技術を学び、2・3年次にはPBL科目で応用力を高めます。4年次では、企業の技術開発部門でのインターンシップを実施。社会のリアルな開発シーンで求められる実践力を磨きながら、AI・IoT時代のものづくりを牽引する学生の自主性を尊重し、自分で考え・行動する力(考動力)を育む社会を見つめ、変化に挑む。「考動」する関大人が世界を拓く。全学でAI関連の科目を強化IoT新時代に活躍できる人材を育成