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140えば、青山学院大は就活に力を入れている大学として知られています。その成果は就職率に出ます。青山学院大は首都圏の難関8私立大(早稲田、慶應義塾、上智、明治、青山学院、立教、中央、法政)の中で、11年から21年のうち、8年で実就職率(就職者数÷〈卒業者数-大学院進学者数〉×100で算出)がトップでした。大学のサポートがこういった就職率に反映されるのです。就職状況で人気学部も様変わり近年、好調な大学生の就職状況が続いていましたが、ここにきてブレーキがかかっています。22年春に卒業を予定している大学生の21年12月1日時点での就職内定率は昨年同時期より0.8ポイント増の83.0%でした。2010年から毎年上昇を続けてきましたが、19年に1.7ポイント減、20年にはコロナ禍の影響もあり、さらに4.9ポイント減りました。21年はやや回復したものの、コロナ禍が続く中で経済・雇用状況が依然厳しい状態にあると見られます。これを受け、受験生たちの志望校選びも変わってくると予想されます。大学通信では毎年、全国の2000進学校の進路指導教諭にアンケート調査を実施しています。昨年は750校から回答がありました。表6は、その中で「生徒に人気のある大学」について聞いた結果です。トップは「自分のしたい勉強ができる大学」で76.7%、次いで「知名度が高い大学」58.7%、家から通える大学」57.4%、社会的評価・イメージが良い大学」57.1%、「資格が取得できる大学」55.1%、「就職に有利な大学」53.3%の順でした。「資格が取得できる大学」と「就職に有利な大学」は前年と順位は同じですがポイントが増えており、長引くコロナ禍で就職状況への不安があると見られます。また、家から通える大学」が昨年4位→3位(2.0ポイント増)にアップした一方、近年人気が高まっていた「留学制度の充実・国際交流の活発な大学」が同8位→10位(9.5ポイント減)に大きくダウンしたのも、コロナ禍でますます地元志向が高まっているのに対し、留学ができないことから関心が薄れていると見られます。表7は、生徒に人気のある学部・学科系統を聞いた結果です。1位は3年連続で情報系(55.9%)です。近年は情報技術の発達が著しく、エンジニアやデータサイエンティストなど就職でも大きな需要が見込まれることから人気を集め、今年も高い人気となりました。それは5位に工学系(29.2https://www.univpress.co.jp/表6生徒に人気のある大学はどのような大学でしょうか?(複数回答可)76.7%57.1%58.7%知名度が高い大学57.4%家から通える大学自分のしたい勉強ができる大学社会的評価・イメージが良い大学55.1%資格が取得できる大学53.3%就職に有利な大学41.0%研究施設が充実している大学26.5%交通の便が良い大学26.1%キャンパスの雰囲気が良い大学26.0%留学制度の充実・国際交流の活発な大学25.0%学費の優待や奨学金制度の充実している大学理系の志願者では近年、AI、IoTなど情報化社会の急速な発展に伴い、コンピューター技術や情報技術、情報解析といった情報工学系の人気が高まっています。また、昨年に私立大を中心に志願者を減らした農学系は、その反動から志願者が戻ると見られます。さらに、農学系の中でも農芸化学や獣医の人気が高くなっており、特に獣医は就職難を意識した資格志向から、国公立大・私立大ともに人気が高まっています。理系学部の動向2022入試TOPICS05