君はどの大学を選ぶべきか[電子版] 2023年度版

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136年入試では、この年からの大学入試改革を避けようと、20年入試で多くの受験生が大学に入学してしまったため、浪人生が大幅に減少し、私立大全体の志願者が大きく減少しました。それでも、21年からセンター利用入試から変わった共通テスト利用入試の重要度は変わりませんでした。コロナ禍でなるべく移動をしたくない受験生心理から、大半は出願するだけで合否が決まる共通テスト利用入試に注目が集まったのです。共通テスト利用入試は一般方式よりハードルが高くなりがちです。そのため、合格校を確保するために、自分の学力で確実に受かる大学に出願するケースが数多くあります。受験回数の確保の面からも、現在の私立大学入試において、共通テストは大きな影響力を持っているのです。多様化が進む大学入試大学の二極化が進んできますと、どのルートで大学に入学するかも重要になってきます。その中で人気を集めているのが学校推薦型選抜と総合型選抜です。表4を見てください。これを見ますと、一般選抜での入学者が、国立大では83.3%、公立大では71.3%と高率ですが、私立大では43.4%となっています。私立大では一般選抜より学校推薦型選抜や総合型選抜で入学する学生の方が多く、5割を超えています。それだけ、私立大では、入試における学校推薦型選抜や総合型選抜の比重がアップしているわけです。学校推薦型選抜は高等学校長の推薦を受けて出願しますが、多くの場合、出願に際して高校在学中の成績基準が設けられています。評定平均値が4.0以上というようにです。これは高校1年、2年と3年の1学期までの成績を平均した値です。これが一定のレベル以上であることが必要なのです。さらに、学業成績だけでなく、課外活動を評価する学校推薦型選抜も多くなっています。私立大の学校推薦型選抜では、大きく分けて指定校制と公募制の二種類があります。指定校制では、応募できる高校が大学によってあらかじめ決められています。難関大で多く実施され、面接や小論文などの試験がありますが、出願すればほとんどの場合、合格になります。ただ、各高校から応募できる人数が1人など募集枠が小さく、高校内での選考を通過できるかどうかが重要になってきます。一方の公募制は高等学校長の推薦を受けることは同じですが、成績基準を満たしていれば、どこの高校からでも出願できるのが特徴です。一般選抜に比べて小論文、面接が中心のため科目負担が軽く、関西の大学などでは学力試験を課しますが、一般選抜より科目数が少ないところが多くなっています。また、学校推薦型選抜では合格=入学が原則ですが、関西の大学などでは、他大学との併願を認め、合格後に入学する大学を決められる一般選抜のような学校推薦型選抜も多くなっているのが特徴です。これ以外にも、スポーツの成績を重視したスポーツ推薦などもあります。総合型選抜の前身であるAO入試は90年に慶應義塾大が始めた方式で、93年まで1校しか実施していませんでした。しかしその後に実施校が急増し、一昨年は国公私立大あわせて607校が実施しました。2001年以降増えており、まさに「21世紀型の選抜」といっていいでしょう。AOとはアドミッションズ・オフィスの略で、アメリカの大学で行われている一般的な選抜方式です。総合型選抜は入学を希望する受験生と大学が面接などを通して、お互いに納得して入学する、させるという方式です。学校推薦型選抜での高等学校長の推薦や出願の基準である高校在学中の成績基準などは設けられていないのが普通です。ただ、高校でのクラブ活動、ボランティアなどの社会活動の取り組みなどが求められます。自己推薦をするものもあり、入試の中心は複数回実施する面接です。なかには小論文や学科試験を課す大学もあhttps://www.univpress.co.jp/今年の大学入学共通テストの平均点は、文系・理系ともに大幅ダウンとなりましたが国公立大の出願状況は堅調でした。難関国立10大学前期の志願者数を見ると、最難関大を目指すトップ層も影響を受けていたため、東京大や京都大の志願者が前年を上回るなど難関大出願状況は比較的強気でした。学部志望動向は、コロナ禍の不安定な社会状況を反映して就職に強い理工系が堅調。これまで人気が下がり続けてきた農水産も志願者が増えています。医療系では薬学部人気がとても高くなっています。国公立大入試2022入試TOPICS03


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