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同志社大学長植木朝子立命館大学長仲谷善雄このページに目を留めてくださった皆さんは、どのような理由で同志社大学の箇所をご覧になっておられるでしょうか。同志社大学という名前を耳にしたことがある、知り合いが通っている、行きたい学部がある、などさまざまな理由があることと思います。本学は1875年に、新島襄という32歳の青年によって設立されました。新島は21歳で幕末の日本から密出国してアメリカに渡ります。息苦しい封建社会に束縛されることに耐えられず、自由と人権を求めての旅立ちでした。留学中、キリスト教徒となった新島は、しだいにひとつの夢を膨らませました。自ら立ち、自ら治め、良心を手腕に運用する人物を養成するキリスト教主義教育を日本でも、という夢です。10年ぶりに帰国した新島は、京都で本学の前身となる同志社英学校を創立しました。同志社とは、「志を同じくする者が創る結社」です。その原点は、もちろん新島の志です。現在、本学は14学部16研究科を有する総合大学に発展を遂げました。科学技術の進歩、価値観の多様化とともに、学問分野も多岐化しています。皆さんが大学を選ぶ理由には、学問分野やキャンパスの環境、就職実績などさまざまな要素があるでしょう。本学の優れた教育プログラムと学生支援体制、京都にある美しいキャンパスは、皆さんの期待に十分応えるものです。2025年に迎える創立150周年に向けて、EUキャンパス・新教育寮の開設、新島塾の開講、新英語教育プログラムの実施など、さまざまな改革を進めています。ぜひ同志社大学で、皆さんの「志」を実現してください。教職員一同、全力でサポートします。世界はコロナ禍のもと、環境やエネルギー、人口・食糧問題など様々な諸課題を抱え、VUCAの時代と言われています。そのような時代だからこそ、人は内包する固定観念にとらわれることなく、むしろそれを疑い、アンコンシャスバイアスを解き放ち、未来のあるべき姿を創造していくために「未来への意志」を持つ必要があります。立命館大学はこのような思いを「Futurize.きみの意志が、未来。」というタグラインに込めました。全国そして世界から3万6千人の個性豊かな学生が集う、ダイバーシティに富んだ環境が立命館大学にはあります。キャンパスでの交流を第一に、ICTを取り入れたリアルとバーチャルが融合するキャンパスDXにより、学びへのアクセシビリティを高め、「誰もが、いつでも、どこでも、学び・学び合える場」を整えています。2024年4月には、映像学部・情報理工学部を大阪いばらきキャンパスへ移転し、デジタル・テクノロジーとアートの融合により、世界、そしてサイバー空間へ開かれたソーシャルコネクティッド・キャンパスを実現します。今まさに社会が求めている新たな教育、大学の在り方を示していきたいと考えています。さらに2030年を見据え、「次世代研究大学」として、様々な社会課題に目を向け、世界の研究拠点との連携・交流による高度な研究に取り組みます。そして、既存の価値観を超え、人類的な社会課題の解決に貢献し、主体的かつ創造力をもって挑戦していく創発性人材の育成を目指します。これからも立命館の挑戦にご期待ください。131