君はどの大学を選ぶべきか[電子版] 2023年度版

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早稲田大学総長田中愛治明治大学長大六野耕作私は普段、学生諸君に対して「たくましい知性」と「しなやかな感性」を身に付けてほしいと話しています。受験生の皆さんが今目指している大学入試の問題には必ず答えがありますが、世の中の問題には答えがあるとは限りません。そもそも、何が問題なのか分からない問題すらあります。そうした難しい問題に立ち向かうことができるのが「たくましい知性」です。問題の解決に向けて自分なりの答えを仮説として立て、考察して検証する。課題を見つけてまた考える。それを繰り返すことで「たくましい知性」は磨かれるのです。「しなやかな感性」とは、ダイバーシティ、多様性を認めることと言ってもいいでしょう。早稲田大学では、性別、国籍、宗教や信条などに関係なく、誰もが平等に学んでいます。日本全国、世界中から学生が集まる早稲田には、異なる価値観を持つ学生が交わり、多様性を理解し、互いに敬意を持って尊重しあい、学べる環境があります。「誰にでも居場所がある」。これが時代の大きな変化の中でも変わらない、早稲田が誇る伝統です。学問はもちろん、芸術、文化、スポーツなどあらゆる分野において、好きなことに本気で打ち込める場所や仲間が存在し、互いに情熱を認め合う風土があります。この環境の中で自分自身を伸び伸びと表現し、仲間と切磋琢磨しながら「たくましい知性」と「しなやかな感性」を存分に磨いてください。早稲田大学の初代総長である大隈重信は「一身一家一国家のためのみならず、進んで世界に貢献する抱負がなければならぬ」と語りました。人類社会に貢献する志を持ち、皆さんとともに学び合える日を心待ちにしています。新型コロナウイルスの影響で社会の在り方が大きく変化する中で、明治大学は昨年2021年に創立140周年を迎えました。人との接触が制限され、生活様式が変化し「これからどう生きるか」が見直される今だからこそ、国籍や言語、文化、宗教、価値観を越えたつながりを持ち、協力して地球規模の課題に立ち向かい、解決する力が求められています。そのために必要なことは、相手との違いを理解する教養、意志を相手に伝えられるコミュニケーション能力、そして「個」すなわち人のことを考え、想う心です。これらの能力を数多くの学部・学科が揃う本学で十分に養ったうえで、全く異なる背景を持つ「個」との意見交換を重ねることが大切です。コロナ禍に伴うオンライン授業の普及により、教育の在り方を根本から見直す必要が生じましたが、本学はこれを学生にとって最適な教育環境を作る好機と捉えています。対面とオンライン、それぞれの強みを生かしながら、目的に応じた様々な授業形態を取り入れています。さらに、2031年の創立150周年に向けて、本学が目標とするのは「大学の融合」です。世界で活躍できる人材を育てるため、国境や大学の垣根を越え、世界中の大学から優秀な教員を集める「クロスアポイントメント制度」も推進します。受験生の皆さんには、いかなる状況も乗り越える発想力、そしてその発想を社会実装できる能力を明治大学で身につけてほしいと心から願っています。129


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