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東洋大学大学改革最前線東洋大学は、創立者・井上円了の志を受け継ぎ、学問の成果を広く社会に還元するため、生涯教育や社会貢献活動に力を注ぎ、他者のために自己を磨く“心”を大切にしています。これはSDGsの根本理念とも通じるもので2021年6月には「学校法人東洋大学SDGs行動憲章」を定めました。SDGsに焦点を当てた教育研究を推進するとともに、学生や学生団体を対象とした「SDGsアンバサダー制度」を創設するなど、大学を挙げて多面的な取り組みを展開しています。また、学部・学科の再編も進めており、21年は赤羽台キャンパスに新校舎が完成、ライフデザイン学部が朝霞キャンパスから移転しました。23年には同学部を福祉社会デザイン学部と健康スポーツ科学部に再編(設置構想中。学部名は仮称)し、地域との連携を図りながら、さらなる社会課題の解決を目指します。DX推進も重要な戦略に位置付けられており、東洋大学の取り組みが文部科学省の「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」に採択されました。取り組みの中心となるのが、入学から卒業までの教育情報を統合し、AI解析結果による最適活用を行う独自開発のアプリ「CLMS(CampusLifeManagementSystem)」です。学生の学びの羅針盤となるこのアプリを通じて、将来の目標に合わせた履修計画、成果の振り返り、成長の可視化、学生同士の交流が可能となります。今年4月から運用を開始し、学生の主体的な学びを支えるとともに、教育の質を高めていきます。●海外インターンシップ・ボランティアグローバル社会で活躍するための語学力や社会人マナーなどの社会人基礎力を育成。短期プログラムでは、旅行会社・ホテルなどの企業や各種団体でのインターンシップを行います。長期プログラムには、発展途上国の国連事務所や政府機関で活動する「国連ユースボランティア」と、米国ワシントンD.C.周辺の公的機関、NPO、企業などで就労体験を行う「ワシントンセンタープログラム」があります。●海外留学促進奨学金制度指定の語学試験で大学が指定する基準以上のスコアを取得し、対象となる海外プログラムに参加する学生に奨学金を給付する制度です。プログラム別に4つのタイプに分かれ、「チャレンジ型」は語学研修や海外ボランティア活動などに7〜30万円給付。「アクティブ型」は1セメスター以上の語学留学などに25〜50万円、「グローバルリーダー型」は専門教育を学修する留学に120〜150万円、「トップ大学型」は世界ランキング上位のトップ大学で専門教育を学修する留学に300万円が給付されます。●国際交流スペース留学生との交流や英語学修支援を目的とした国際交流スペースが各キャンパスに設けられています。「ECZ(EnglishCommunityZone)」は、留学生や学生同士で英語コミュニケーション能力と異文化理解力の向上を目的としたスペース。室内では英語が公用語で季節ごとのイベントや1対1の英会話レッスンなど、さまざまな取り組みが実施されています。赤羽台キャンパスWELLBHUB-2グローバル化を進める多彩なプログラム地球社会の未来に貢献する人材を育成ⒸKawasumiKobayashiKenjiPhotographOffice