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芝浦工業大学大学改革最前線社会がグローバル化することにより、産業分野の急速な変遷と進展が起こりました。多様な産業の変化に対応できる工学系人材を育成するためには、これまでの学科ごとに縦割りにされた学問体系で学ぶのではなく、幅広く学ぶ必要が出てきています。例えば、機械工学を学ぶだけでは分野の情報化に対応できません。産業分野によっては、機械と電気、あるいは機械と化学を学んでおく必要があるかもしれません。そこで工学部では、2024年4月から課程・コース制を導入することで、産業の進展や多様化にあわせて学生が自ら学ぶ科目を選べるような教育プログラムをスタートさせます。コロナ禍により芝浦工業大学でもオンラインによる遠隔授業を行いました。当初、学生・教職員に不安はあったものの、芝浦工業大学のICT環境が進んでいたこともあり、教員と学生がともに授業を作っている流れができたため、結果として大きなトラブルなく推進することができました。オンライン授業は今後も引き続き進化し続けていくと考えられますが、一方で学生がキャンパスに来て対面で学ぶということの意義を改めて考える必要性が出てきました。実験や実習の重要性が高まる他、教員はファシリテートに徹し、学生自らが考え、体験し、学ぶことのできるキャンパスでの学びやカリキュラムの構築などを検討していきます。2014年のSGU(スーパーグローバル大学)への採択により、ここ8年余りで驚異的と言える国際化を成し遂げています。学部在学中に海外留学した学生数および芝浦工業大学に来た留学生の数は10倍以上に増加しています。この結果、2020年度のSGU事業中間評価において、最高の「S評価」(採択大学37校中8校がS評価)を得ることができました。今後は国際化を研究力の強化と学生教育によりつなげていくこととしています。2024年度から工学部が学科制を廃止し、課程・コース制へコロナ禍を経て、改めて考えるキャンパスを持つ意味全てのステークホルダーが誇りに思える、真のグローバル理工系大学を目指すさらなる国際化の推進山田純学長