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は、教養教育・臨床前教育・臨床実習の3つに分けられます。1年次では、一般教育科目を中心とする教養教育や、リハビリ施設や高齢者医療施設などの医療現場で実習を行い、倫理観や医師としての心構えを身につけます。2〜4年次では、基礎医学や臨床医学などの臨床前教育を受けます。この期間は実験・実習も多くなり、4年次には、その時点での学生の知識や技能、態度などを評価する全国共用試験が実施されます。これはCBT(知識テスト)とOSCE(臨床能力の実地テスト)で構成され、合格しないと5年次からの臨床実習には進めません。5・6年次は臨床実習が中心となり、6年次に医師国家試験に合格すれば医師免許を取得できます。卒業後は、全国の大学病院で2年以上の臨床研修が必修化されています。歯学部も医学部同様、6年制です。一般教養科目を履修し、基礎歯科医学や臨床歯科医学を学んだ後、5・6年次に臨床実習が行われるのもほぼ同じで、卒業後は1年以上の臨床研修を経て、一人前の歯科医師となります。また、最近の口腔医療は、虫歯の治療を中心としたものから、歯の色を白くするホワイトニングや歯列矯正、顎関節症の治療など、患者の多様なニーズを満たす治療へと領域を拡げています。近年ではスポーツ外傷の予防・軽減や競技力の維持・向上を助けるスポーツ歯学の外来を設けている大学病院もあり、こうした幅広い知識を養うために、大学院に進学する人も増えています。看護学は、大学の場合は4年制、短大の場合は3年制の課程で学ぶことができます。教育内容は、幅広い視野と豊かな人間性を養う教養科目と高度な看護スキルを身につける専門科目、実践力を養う実習で構成されています。卒業とともに看護師の国家試験受験資格が得られるほか、保健師や助産師の受験資格、高校教諭や養護教諭などの教員免許が取得可能です。●臨床薬剤師を育てる6年制課程と、薬学研究を行う4年制課程薬学を学ぶ場合、臨床を重視し、薬剤師を育成する6年制課程と、研究者の育成をめざす4年制課程があります。6年制課程は薬学科や医療薬学科などの名称で、臨床薬学と医療薬学を中心に学びます。1年次は教養科目や基礎科目を中心に履修し、2年次から本格的な専門教育が始まります。早期から医療や薬局などでの現場体験の機会があります。4年次には薬学共用試験が行われます。それまでに培ってきた知識やスキルを確認し、合格すれば5年次から病院や薬局での約半年間の実務実習が受けられます。6年次は卒業研究と薬剤師国家試験に向けた総仕上げが中心となります。4年制課程は薬科学科や生命薬科学科、創薬科学科などの名称を採用しています。薬について学べる点は6年制課程と同じですが、カリキュラムは創薬などの生命科学を中心としています。薬の研究に重点を置いており、大学院進学を視野に入れた教育が大きな特徴です。薬剤師国家試験受験資格は得られませんが、卒業後は製薬会社や大学で研究・開発に携わる人材、医薬情報担当者(MR)など、活躍の場は広がっています。171