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学部を決めていくことになります。特に文系でよく見られる方法です。最後は前記のどちらでもないという時の選び方です。これは様々な視点から選んでいくことになります。この場合、学力で合格できそうな大学を選びがちになりますが、これはあまり感心しません。その前に自分なりに絞っていくことが必要です。多くの受験生は、高校で既に文系か理系かは選んでいるはずです。さらに、自分に向くかどうかもそれぞれの学部で何を学ぶかを知れば(本書157ページからの「大学・学部・学科選び入門」参照)、わかってくるでしょう。大学選びについても、自宅を離れて進学していいかどうか、親と相談して決めれば絞ることができます。また、学部によって学費の差もあります。表4の学部系統別の平均の学費を参考にしてください。ぼんやりとでもいいから、進学したい学部、大学を決めていくことが大切です。入試に大きな影響を与える大学入学共通テストここからは、現行の制度における入試状況について、大学入学試験の現況から見ていきましょう。国公立大の一般入試は大学入学共通テスト(以下共通テスト)の結果が不可欠です。21年の共通テストには53万5245人が志願しました(表3参照)。前身である昨年のセンター試験の志願者数と比べて2万2454人(4.0%)も減少しました。今年から共通テストに変わり思考力・判断力が問われる出題となるため、平均点は下がると思われていましたが、文系・理系ともに昨年のセンター試験を上回りました。これまで、センター試験では、平均点がアップすると、国公立大の志願者が増え私立大の志願者が減り、逆に平均点がダウンすると、受験生は弱気になって国公立大志願者が減り、私立大志願者が増える傾向にありました。センター試験が難しいことは受験生全員に共通のことなのですが、どうしてもこのような状況が毎年繰り返されてきたのです。ただ、近年はこうした傾向が影を潜めています。国公立大の志願者は、センター試験の平均点に関係なく連続で減少してきました。19年は8年ぶりに増加に転じましたが、国立大だけの集計では減少が続いています。国公立大人気は高いのですが、難関大学を中心に後期の縮小もしくは廃止が進んでいるため、出願したくてもできない状況にあるからです。さらに、現行の教育課程になって、国立大のセンター試験のハードルが高くなった影響もあります。理系の受験生は専門理科を2科目受ける必要があり、数学も学ぶ範囲が広がりました。そのため私立大に志望変更する受験生が増えているのです。一方、私立大はセンター試験の平均点に関係なく、近年、志願者が増え続けていました。これは、国立大からの志望変更に加え、入試方式の多様化や受験料割引、ネット出願の普及などにより、出願しやすくなったためです。さらに、16年から大規模大学を中心に、入学者が募集定員を超える割合が厳しく制限されたため、合格者が減っています。志願者が増えているところに合格者が減少しているので、私立大入試は難化しました。そのため、受験回数を増やそうと、大半は出願するだけで合否が決まるセンター利用入試に出願する受験生が増えました。21年入試からセンター利用入試は共通テスト利用入試に変わりましたが、役割はセンター利用入試と同じです。共通テスト利用入試は一般方式よりハードルが高くなりがちです。そのため、合格校を確保するために、自分の学力で確実に受かる大学に出願するケースが数多くあります。受験回数の確保の面からも、現在の私立大学入試において、共通テストは大きな影響力を持っているのです。多様化が進む大学入試大学の二極化が進んできますと、どのルートで大学に入学するかも重要になってきます。21年から一般入試が一般選抜、推薦入試が学校推薦型選抜、AO入試が総合型選抜とそれぞれ名称が変わりました。その中で人気を集めているのが学校推薦型選抜と総合型選抜です。表5を見てください。これを見ますと、一般選抜での入学者が、国立大では83.6%、公立大では72.0%と高率ですが、私立大では45.7%となっています。私立大では一般選抜より学校推薦型選抜や総合型選抜で入学する学生の方が多く、5割を超えています。それだけ、私立大では、入試における学校推薦型選抜や総合型選抜の比重がアップしているわけです。学校推薦型選抜は高等学校長の推薦を受けて出願しますが、多くの場合、出願に際して高校在学中の成績基準が設けられています。評定平均値が4.0以上というようにです。これは高校1年、2年と3年の1学期までの成績を平均した値です。これが一定のレベル以上であることが必要なのです。さらに、学業成績だけでなく、課外活動を評価する学校推薦型選抜も多くなっています。私立大の学校推薦型選抜では、大きく分けて指定校制と公募制の二種類があります。指定校制では、応募できる高校が大学によってあらかじめ決められています。難関大で多く実施され、面接や小論文などの試験がありますが、出願すればほとんどの場合、合格になります。ただ、各高校から応募できる人数が1人など募集枠が小さく、高校内での選考を通過で137