君はどの大学を選ぶべきか[電子版] 2022年度版

全国の主要国公私立大学・短大を網羅。新設学部・学科からユニークな施設設備まで、各大学の最新情報をコンパクトに紹介しています。キャンパスライフや取得資格、就職状況、入試方式など気になる情報も満載。 興味ある大学・短大のパンフレットをまとめて請求できる「パンフレット一括請求サービス」にも連携しています。


>> P.134

今の大学は、お父さんやお母さんが受験した30年前とはまったく違います。時代の移り変わりと同じで、大学も“象牙の塔”と呼ばれるままではありません。大学を取り巻く環境、入試制度、人気学部、就職状況、学費など、大きく変わっています。まさに隔世の感といっていいでしょう。大学入試の現状はどうなっているのでしょうか。この講座で知識を深め、入試についてじっくり考えてみましょう。大学・短大全入時代到来が明らかに「大学・短大全入時代が到来する」のは、もはや時間の問題です。全入時代とは、「大学・短大の入学定員≧大学・短大志願者」になることです。つまり、大学・短大入学希望者が、進学先を考慮しなければ、全員が必ずどこかの大学・短大に入学できることを意味しています。日本中を探せば、必ず入れる大学・短大があるという意味です。しかし、全入のような状況は、現実には起こりえません。東京大、早稲田大などの人気大学や医師になるための医学部医学科に、浪人しても進学したい受験生はたくさんいるからです。浪人生が生まれた分、定員が埋まらない大学・短大が出てくることになります。その割合が高い学校では、淘汰されることに結びつきます。こうなった大きな理由が少子化です。表1を見てください。受験生数がもっとも多かったのは1992年です。その後、18歳人口は減少の一途をたどっています。92年当時の受験生数は、約121.5万人で、入学者数が79.6万人。受験生の3人に1人、42万人近くが、大学・短大に入学を希望しながら入学できなかったことになります。大変な激戦入試でした。それが2020年には、受験生数が約71.1万人で、1992年の入学者より少なくなっています。一方、入学者数は約13468.4万人で、進学を希望しながら入学できなかった人はわずか2.6万人です。大学・短大に進学を希望しながら入学できなかった人は、およそ27人に1人と激減しているのです。以前に比べ、大学に入りやすくなっている受験生数減もさることながら、大学数が増えていることも全入時代到来に拍車をかけています。4年制大学は1992年の523校から2020年は795校へ272校、約1.5倍に増えました。新設大学だけではありません。既設の大学でも学部新設のラッシュが続き、受け皿は広がっているのです。特に4年制大学の入学者を1992年と2019年とで比べますと、およそ54.2万人から63.5万人に17.2%増えてʼ21①▶大学入学共通テスト21年から初の実施となった大学入学共通テストの志願者は、昨年のセンター試験の志願者より4.0%も減少しました。内訳を見ると、現役生が0.5%の減少だったのに対し、浪人生は19%の大幅減。18歳人口の減少に加え、共通テストを避けるため、20年度入試で大学に駆け込んだ受験生が多かったためと見られます。また新型コロナウィルス感染症の影響により、試験期日は本試験、追試験、特例追試験の3種類の日程が設けられました。


<< | < | > | >>