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法政大学総長田中優子南山大学長ロバート・キサラ皆さんは、大学でどういう時間を過ごしたいですか?どのような能力を獲得したいですか?まず、「実力が身につく」ことを望んでおられると思います。では実力とは何でしょう?皆さんはこれから、変化の激しい予測のつかない社会で生きていくことになります。法政大学では、そのような時代に必要な力を、「自由を生き抜く実践知」という言葉で表現しています。座学だけでなく様々な実践を通して、自分自身で考えることのできる知性を磨き、現実社会のなかで自立と自由を獲得しながら、社会の諸課題を解決する力です。皆さんひとりひとりが「自由を生き抜く実践知」を身につけられるよう、教育環境を常に整えています。充実した楽しい学生時代を過ごすことも、皆さんが望んでいることだと思います。法政大学のゼミでは、多様なフィールドワークが展開し、グローバルネットワークによって留学しやすい多様な制度もあります。課外活動や、学生主体のピアネット等の課外教養プログラムも充実しています。大学を、自分の能力を試しながら存分に活躍できる場だと考えて下さい。しかしいくら楽しくとも、大学にいる時間が将来につながらなければ、不安を覚えるばかりですね。法政大学はOBOGを含めた広いネットワークをもち、卒業生たちに体験を聞きながら、社会や仕事を理解し、卒業後の自分のありかたを考えることのできる場と機会を、豊富に設定しています。充実した楽しい環境のなかで、活躍できる力を充分に身につけ、それを将来につなげる。法政大学でそういう時間を過ごして下さい。南山大学は、1946年設立の南山外国語専門学校が前身であり、2021年度には創立75周年を迎えます。8学部を擁するカトリック系総合大学として、「キリスト教世界観に基づく学校教育を行い、人間の尊厳を尊重かつ推進する人材の育成」を建学の理念とし、この理念の具体化のために「HominisDignitati(人間の尊厳のために)」という教育モットーを掲げています。キリスト教では、人間が神から与えられた尊厳すなわち侵すことのできない価値や権利を持っていると教えられます。本学のモットーには、一人ひとりの人間が尊厳ある者として、自分と同じく他者を尊重しながらともに生きるようになることへの願いが込められています。現代のようにグローバル化した世界では、どこにいてもしっかりと活動できるために、大学で普遍的な価値観を学ぶことが必要です。本学では人間の尊厳の把握、さまざまな次元での多様性の確保、そして共生・協働の実践などによって人類の平和の創造に貢献するために、「個の力を、世界の力に。」という将来ビジョンを掲げています。これからも、世界から選ばれる本学のキャンパスを“国境のない学びの場”として一層活性化するために、学際的環境の中で、8学部がアクティブでチャレンジングな諸取り組みを企画実践し、「絶えざる自己改革」を推進し続けます。132