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芝浦工業大学大学改革最前線日本の大学教育では今まで人文・社会学系の大学が率先してグローバル化に取り組んできました。しかし現代社会ではエンジニアをはじめとした専門職が、多くの海外諸国で実務に就くことが日常化しています。ことに技術革新で世界の先端を行く日本においても、エンジニアが海外で活躍する機会は増加の一途をたどっており、高度な専門技術とともにグローバルな視点が不可欠になっているのが実情です。芝浦工業大学は、海外の大学との連携などで国際化促進、世界レベルの教育研究を行う大学を支援する「スーパーグローバル大学創生支援事業(SGU)」に全国781大学から37校が採択されるなか、私立理工系単科大学として唯一選定されました。SGU事業の構想は、教育・研究・社会貢献が三位一体となって推進する大学モデルを構築することで、具体的には以下の教育を実践していきます。●学修・教育双方の質を保証する価値共創型教育教育を提供する大学教職員と、教育を受ける学生との間で協力して価値を生み出していきます。一方的な講義型教育だけでなく、アクティブラーニングを活用した、教員が思いつかないような解が出る可能性を秘めた教育スタイルです。●日本のモノづくり文化を活かす実践型技術教育日本の大学は欧米に比べ、実践的な教育を重視してきました。この伝統を踏襲してさらに磨きをかけます。●教育・研究・開発コンソーシアム(GTI)の構築GTIコンソーシアムは東南アジアで産官学が連携して次世代の人材育成を協力するプラットフォームです。東南アジアに縁の深い芝浦工業大学が結成を呼びかけ、学生が企業・自治体・国などの関連機関と共に国際的な問題解決に取り組んでいます。●英語の学部教育「先進国際課程」を工学部に開設「国際化が進む社会でリーダーシップを発揮し、複雑化する理工学の問題を解決できる人材育成」を目標とし、すべて英語の講義、多国籍教員による教育で、入学時から指導教員のもと最先端研究に取り組みます。また異分野・学際領域にも対応します。■芝浦工業大学が育成する人材像本構想で育成する人材は「コミュニケーション能力」「問題発見解決能力」「技術経営能力」「メタナショナル能力※」の4つの能力を有する人材です。従来の大学教育では不十分な領域でしたが、後ほど述べるグローバルPBLや海外インターンシップなどの国際プログラムは、学生にこれらの能力獲得の機会を与えるものです。また留学生が多数キャンパスに存在することが、コミュニケーション能力の上昇につながります。※メタナショナル能力=自国のアイデンティティを基盤として、異文化を理解し、グローバルな視点で発想し行動する能力。エンジニアこそグローバルな視点が必要グローバルエンジニアの育成を目指す