>> P.58
東京理科大学大学改革最前線東京理科大学は1881(明治14)年に創立された「東京物理学講習所」を起源に、「東京物理学校」を経て幅広い研究領域を擁する私学随一の理工系総合大学へと発展しました。「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」という建学の精神と、真に実力を身に付けた学生のみを卒業させるという「実力主義」を貫き通し、科学教育のパイオニアとして優秀な人材を輩出しています。さらに、2031年の創立150周年に向けて長期ビジョン「TUSVISION150」を策定。順次、学部・学科の再編と、キャンパスの再配置の計画を進めています。※本計画は構想中であり、内容は変更する場合があります。グローバル化の到来や、IoTなどの発展による技術革新、産業構造の変化などを受け、既存の科学技術分野だけでなく、それらを横断的に融合しながら新たな課題解決策を見出し、次世代の高度な科学技術イノベーションを創出できる人材が必要となっています。そこで東京理科大学では、社会の持続可能な成長に貢献するために本学が果たすべき教育研究上の役割と使命は何か、という観点で新しい時代の学部・学科のあり方を検討しました。その結果、国際化のための新たな教育拠点を設けるとともに、多様性や機動性を確保した組織になることが必要と考え、2020年度から段階的に再編を進め、2025年度には7学部33学科体制を完成させる計画を策定して、進めています。〈主な内容〉■先進工学部(旧:基礎工学部、2021年度学部・学科名称変更、2023年度学科新設予定)学部と学科名称を変更し、従来の学びを継承しつつ、強化します。同時に飾キャンパスでの4年間の一貫教育に移行します。特長は分野間の「連携・融合」です。学際的な科学技術の創造のため、基礎科学領域(数学・物理・化学・生物など)と先進工学領域(電子・材料・バイオ・機械・情報など)を「デザイン思考」で融合します。基礎学力と社会応用力に加えて「デザイン思考」を修得し新たなイノベーション創出を担う人材を育成していきます。また、2023年度には「物理工学科」、「機能デザイン工学科」を新設する予定です。■創域理工学部(現:理工学部、2023年度学部名称と一部学科名称変更予定)理学と工学の融合を進め、新しい研究領域を創造していくという特長を明確にするため、「理工学部」から名称変更し、一部の学科名称も変更します。また、4学科に留学生を対象とした「国際コース」の設置を予定するなど、グローバル化を実現していきます。■経営学部(2021年度学科新設)創設以来、「データを駆使した経営」を学ぶ充実したカリキュラムのもと、文系・理系の枠組みを越えた視点から、経営の理論と技法を教育・研究してきました。2021年度には「国際デザイン経営学科」を新設。「デザイン経営」、「デジタル経営」、「国際経営」の3つの領域を柱として学び、「デザイン」の観点からビジネスを捉える力と「デジタル技術」を用いて問題を解決するスキルを身に付け、多様性とグローバルな視点をもつイノベーションリーダーを育成します。通学キャンパスの移転などを含む学部・学科の再編にあわせて各キャンパスへ明確な位置づけを行っていきます。神楽坂キャンパスは「サイエンスキャンパス」として、科学に根差した教育・研究を行います。飾キャンパスは「イノベーションキャンパス」とし、新しいものを生みだしていくキャンパスとします。野田キャンパスは「リサーチキャンパス」として、高精度・大型設備を使用する研究の拠点としていきます。データサイエンスは社会の複雑な課題を解決し、スマート社会や産業構造の変革に貢献する学問分野です。キャンパスの再編2025年度までに7学部33学科体制へ理科大の強みを生かしたデータサイエンスの取り組み創立150周年を見据えた「TUSVISION150」学部・学科とキャンパスの再編を進める